月夜に笑った悪魔 (番外編)
「……もう寝る」
私はこれ以上なにかされないように、ぐるりと反対側を向いて布団を被った。
「また寝んの?」
後ろから聞こえてくる彼の声。
確かに……起きてまだ1時間もたってない。
正直、眠気なんてこれっぽっちもないけど。
「…………」
「眠くないんだったら夜の病院探検でもする?」
おもしろがるように誘ってくる彼。
私はその言葉にすぐに「ぜったいやだ」と返事。
だって、夜の病院って、なんか……
「あぁ、なんかいるかもしれないもんな?」
思っていたことは、彼が先に口にした。
……そう。
なんかいるかもしれないじゃん……。
この世のものではない、なにかが。
病院なんてそういうものが出やすいだろうし……
考えるだけでも恐ろしい。