月夜に笑った悪魔 (番外編)
「んっ」
顔が近づいてきたと思ったら重ねられた唇。
少し触れただけですぐに離れた。
「半分あけろ」
ギシっと軋むベッド。
彼はベッドに左足を乗せる。
な、なんだ……。
一緒に寝たいのか、暁は。
暁の病室は隣なのに。
私も寂しいと思ってたけど……。
言われた通りベッドを半分あければ、沈んだベッド。
ピタリとくっつく肩と肩。
一緒に寝るのは少し狭い。
けど……くっついていられるのは嬉しい。
……温かい。
「ねぇ、暁」
「ん?」
「……骨折したとこ、痛い?」
私には骨折の経験がないからどれくらい痛いのかわからない。
常に痛いのかと思って心配だった。
「美鈴からキスすれば治るかも」
ちらりと私に向けられた視線。