月夜に笑った悪魔 (番外編)
……これは、キスを要求されてるな。
私ももっと触れたいからいいんだけどさ。
上体を起こすと、そっと彼に顔を近づける。
キスする、ってわかってるのに目を瞑ってくれない彼。
恥ずかしいけど早く暁に触れたい気持ちのほうが強くて、何も言わずに唇を重ねた。
「……暁、助けてくれてありがとう。解毒剤飲ませてくれたおかげで助かった」
そっと唇を離して彼にお礼。
まだちゃんと伝えてなかったから、どうしても言いたかった。
「それは俺も同じ。おまえのおかげで助かった。ありがとな」
「……うん」
もう一度唇を重ね合わせる。
強く、強く……。
「ふぁ……、んっ」
どちらともなく差し込んだ舌。
熱く絡みあって声が漏れる。