月夜に笑った悪魔 (番外編)
……気持ちいい。
暁の熱はやっぱり気持ちいい。
死んでたら、もうこうして触れることもできなくなってたんだよな……。
本当に、生きててよかった。
「ぁっ、やぁっ」
唇を重ねながら、彼の左手が私の入院着の下へ。
腹部あたりから滑りこんでいくからその手をつかむ。
「……待って」
唇を離し、息を乱しながら声を出した。
「ちょっと触るだけ」
彼はぐっと手に力を入れて力づくでも私に触れようとする。
ちょっと、って……。
どこをどうちょっと触る気なんだ。
ここは病院なのに。
それに、暁だったら
「……触るだけじゃ終わらないでしょ。だからヤダ」
「…………」
触るだけじゃ終わらないような気がしてそう言えば、彼は少し不満そうにムスッとする。
そんなに触りたいのか……。