月夜に笑った悪魔 (番外編)
「じゃあ帰ったらしよ。すげぇ触れたい」
じっと見つめられる目。
心臓がドキリとする。
“しよ”って、お誘い、だよね……。
私だって暁に深くまで触れたいけどさ、
「……しばらくは無理だよ。暁、骨折してるじゃん」
するのは足に負担がかかりそう。
悪化しちゃうような気がした。
「これくらいへーき」
「平気じゃないから」
なにを根拠にそんな平気とか言ってるのか。
折れたとこすごい色してたのに。
「…………」
また不満そうにムスッとする彼。
私を見つめて逸らさない。