月夜に笑った悪魔 (番外編)
どうしたの?、と聞こうとしたがその言葉は呑み込む。
暁は私の前で跪くと小さな箱を開けた。
開けた小さな箱の中に入っていたのは……──キラリと輝くダイヤモンドがついた指輪。
「俺と結婚してください」
動いた彼の唇。
まっすぐに見つめられる目。
胸の奥が熱くなる。
目の奥も熱くなって、気づいたら涙が頬を伝っていた。
「喜んで……っ!」
迷いなんてない。
これから先、ずっと一緒にいるのは暁がいい。
私には暁じゃないとダメだ。
指輪を手にとると私の指にはめてくれる彼。
キラキラと輝く指輪が私の左手の薬指に……。
なんか……夢みたいだ。
気持ちがずっとフワフワしてる。