月夜に笑った悪魔 (番外編)
本当に、1年は長いようであっという間。
暁は今日、無事に高校を卒業して……。
卒業式の帰り、私たちは2人で婚姻届を提出しに行った。
緊張しながら役所に行ったけど、紙1枚提出するだけで本当にあっという間に終わって、またしても実感がない。
今日から暁と私は恋人でも婚約者でもなく……“夫婦”なんだ。
暁が、私の“旦那さん”。
「へへっ」
思わずにやけてしまう。
「なんだよ」
「なんでもなーい」
今いるのは暁のマンション。
暁が手に持っていたカードキーを奪って、私はスキップしながら先に部屋の前へと行って鍵を開けた。
「早く早く!」
暁を呼べば少し早歩きしてくれて、一緒に部屋の中へ。