月夜に笑った悪魔 (番外編)



本当に、1年は長いようであっという間。



暁は今日、無事に高校を卒業して……。
卒業式の帰り、私たちは2人で婚姻届を提出しに行った。




緊張しながら役所に行ったけど、紙1枚提出するだけで本当にあっという間に終わって、またしても実感がない。


今日から暁と私は恋人でも婚約者でもなく……“夫婦”なんだ。


暁が、私の“旦那さん”。



「へへっ」


思わずにやけてしまう。


「なんだよ」
「なんでもなーい」



今いるのは暁のマンション。
暁が手に持っていたカードキーを奪って、私はスキップしながら先に部屋の前へと行って鍵を開けた。



「早く早く!」


暁を呼べば少し早歩きしてくれて、一緒に部屋の中へ。


< 377 / 382 >

この作品をシェア

pagetop