月夜に笑った悪魔 (番外編)


「……最後、でしょ。せっかくだから……そのままがいい」


いい?、と彼を見れば暁は。


「いーけど」


私をふわりと抱きかかえてベッドにおろす。

私の上に彼が覆い被さると、2人の重みで沈むベッド。





「暁、好き」



彼の頬に手を伸ばして触れた。
暁はその手を握って「知ってる」と笑う。


「好き」
「知ってるって」


「大好き」
「だから知ってるって」


「…………」



わざとだ。
私は“好き”って言葉が聞きたいのに、それに気づいてて暁はわざと言ってくれない。



ムッとしていれば、暁は「ふはっ」と吹き出す。


……私でおもしろがってるな。
……もう。


< 379 / 382 >

この作品をシェア

pagetop