月夜に笑った悪魔 (番外編)
「……最後、でしょ。せっかくだから……そのままがいい」
いい?、と彼を見れば暁は。
「いーけど」
私をふわりと抱きかかえてベッドにおろす。
私の上に彼が覆い被さると、2人の重みで沈むベッド。
「暁、好き」
彼の頬に手を伸ばして触れた。
暁はその手を握って「知ってる」と笑う。
「好き」
「知ってるって」
「大好き」
「だから知ってるって」
「…………」
わざとだ。
私は“好き”って言葉が聞きたいのに、それに気づいてて暁はわざと言ってくれない。
ムッとしていれば、暁は「ふはっ」と吹き出す。
……私でおもしろがってるな。
……もう。