月夜に笑った悪魔 (番外編)
暁のシャツのボタンに触れて、私は上からひとつずつはずしていく。
ボタンを3つ目まではずせば、見えた鎖骨。
私はそこに自分の唇を押し当てて強く吸い付いた。
いつまでも笑ってるなら先にはじめちゃうもんね。
数秒間吸い付けば、そこは一点赤い痕ができる。
もう1箇所つけよう、と思ったこところで……彼は隣に寝転んだ。
引き寄せられて、ピタリとくっつく体と体。
私は強く抱きしめられた。
「愛してる」
耳元で聞こえてきた声。
その声に、ドキン!と飛び跳ねた心臓。
一瞬にして体が熱くなる。
……急に、びっくりするじゃんか。
心臓に悪い……っ!悪すぎる!
「美鈴は?俺のこと“好き”どまりなの?」
聞こえてくる声は楽しんでいるような声。
……暁はやっぱり、悪魔だ。
「わ、私も……愛してる」
バカ、と小さくつけたして私も強く抱きしめ返した。