月夜に笑った悪魔 (番外編)
「その声は……っ」
男性は驚いた表情。
すぐに誰だか気づいたみたい。
「大人しくしてろよ?ここで死にたくなければなぁ」
岳が口角を上げれば、男性は顔色を悪くして硬直状態に。
それを見た岳はエレベーターの1番下のボタンを押した。
「おまえ、ウェイターなんかじゃねぇだろ。そんなもん持って」
視線を落とした岳。
“そんなもん”とは何かと思ったが、すぐに理解。
岳が男性のズボンのポケットへと手を伸ばして取り出したのは……折りたたみ式のナイフと小型のスタンガン。
……確かにそんなもの持ってたらウェイターなんかじゃないだろう。
というか、よくそんなもの持ってるなんてわかったな。