月夜に笑った悪魔 (番外編)
な、なにして……っ!
これは暁たちとも連絡がとれる通信機だったのに……!
「岳──、っ」
彼の行動に驚いて声をかけようとしたが、私は途中で口を閉じた。
腕をつかまれた手に、いつまでも込められる強い力。
痛くて顔を歪めるが、彼は離してくれない。
「俺の目的は昔から変わるわけねぇよ」
口角を上げる岳。
そう言った彼の瞳は、ひどく冷たい目をしていた。
「俺から大事なものを奪った憎き一条組を潰す、この目的は変わるわけねぇんだよ」
続けて落とされる声。