月夜に笑った悪魔 (番外編)


「一条組なんかと組むなんて反吐が出るが……一条組を潰すためにはもう手段は選ばねぇことにしたんだ。
一条組と盃を交わし、信用させ……この合同のシゴトで隙をつき、俺は一条暁を殺す」



ぐっと強く握られる拳。
間近で感じる強い怒り。



何を言ったのかでさえ瞬時に理解することができなかったが……遅れて岳の言葉は頭に入ってくる。



……一条組を潰すって。
……暁を、殺すって。


まだ……恨んでいたの?
五分の盃を交わすこと、本当は嫌だったの?


今までの岳は……ぜんぶ演技だったの?




「俺は、おまえらがここに来て本当に感謝してる。そのおかげで一条暁を殺しやすくなったからなぁ。
おまえらは、ほんとに優秀だ」


前を見て言う岳。


“おまえら”というのは、元月城組のこの人たちのこと。


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