月夜に笑った悪魔 (番外編)
「英雄!?私が!?」
聞いた言葉にびっくりして、思わず大きな声が出てしまう。
いやいや、私、英雄ってほどなにもしてないんだけど!?
月城組の組長をとめたのは一条組の組長である暮人さんだし……!!
私は戦いをとめたくて動いていたわけだけど、自分の力だけでとめたわけじゃないよ!?
「姐御は英雄です!!」
「だ、だから私はなにも──」
急に、家の門の前でとまった黒塗りの車。
その車が視界に入って、私は途中で言葉を切った。