月夜に笑った悪魔 (番外編)
来たところを戻っていく。
「またかくれんぼでもすんのかぁ?」
後ろから声が聞こえてきた直後、響き渡る乾いた音。
それは銃声。
1発、2発、連続で響く。
私に向けて発砲されてる。
でも、当たらない。
……こんなことをされると、月夜組とまだ争っていた時のことを思い出す。
いつしか行ったあの廃校舎で、私はこんなふうに岳に追われていたっけ。
あの頃は、本気で岳が怖いと思った。
数発でとまった銃声。
今度は、コツコツと後ろから聞こえてきていた足音。
その音はやがてすごい速さで近づいて……。
ガシッと腕をつかまれ、私は床へと投げ飛ばされた。
倒れた体。
その衝撃で感じる痛み。
私が起き上がる間もなく、岳は私の上に馬乗りに。