月夜に笑った悪魔 (番外編)
「……っ」
錠剤は口内の温度ですぐに口の中で溶けていき……涙がぽろぽろと溢れていく。
酸っぱい、苦い、辛い、痛い。
いろんな刺激を与えて錠剤は完全に溶けた。
溶けてもまだ舌に残る味、そしてヒリヒリした痛み。
ぜんぜん消えない。
味は明確にはわからない。
けど、ひとつだけわかるのは……とにかくまずいということ。
こんなにまずいのなんてはじめて食べた。
泣くほど辛いなんてはじめて。
まずすぎる……っ!
うがい……!
今すぐうがいしたい!
うがいさせて……っ!
「苦しいかぁ?……もっともっと苦しめよ」
首をつかまれてる手に少し力が入るけど、それは苦しくもないし痛くもない。