月夜に笑った悪魔 (番外編)
after story5
ちょっと前の自分だったら、ヤクザと付き合うことをまったく考えなかったように……本当に、人生はなにが起きるかわからない。
『次、太いほうの赤い配線切れ』
「……わ、わかった」
指示通り、ナイフで切った太い赤色の配線。
私は現在……なんと、爆弾を解除してるところ。
指示された場所に行けば爆弾があって、『お前は俺の指示通り爆弾を解除しろ』って言われたから本当にびっくりした。
確かに、起爆スイッチを奪えるかもわからないし、いつ爆発するかもわからないから早く解除したほうがいいんだけど……。
この人生で爆弾解除まですることになるとは誰が予想しただろう。
出てくる変な汗。
緊張で震える体。
大丈夫、と自分に言い聞かせてもちっとも落ちつかない。