月夜に笑った悪魔 (番外編)
私が今いるのは、パーティー会場のすぐ近くの非常階段。
岳が爆弾の設置図を敵から入手したから、会場の近くにある爆弾から優先的に解除してる。
ここまで聞こえてくる人の声。
すぐ近くに人がいるって思ったらさらに緊張が増す。
ここで私がなにかまちがえたら、爆弾が爆発して……私だけでなくパーティー会場にいる人も死ぬんだ。
『あとはそれ切ればとまるはずだ』
岳の言葉の通り、言われた配線を最後に切れば爆弾に表示されていた数字が消えた。
……と、とまった、よね?
……なんとかできた。
『次、下だ。階段おりればあるはずだから早く行け』
聞こえてくる次の指示。
爆弾が爆発するまで時間は刻一刻と迫っているから、息をつく時間すらない。
解除した爆弾を持って立ち上がり、階段をおりていく。