私を愛して



サプライズは、これで終わりではなかった。

クリスマス当日、長女が旦那さんとうちに来た。

「ママ、ママはおばあちゃんになるよ」

え?

え?

「妊娠したよ」

長女は、1度流産してから、なかなか子供に恵まれていなかった。
そんな彼女に子供ができた。


「若いおばあちゃん!これから色々よろしくね」

私は泣き崩れた。

「ママの泣き虫は、健在だね」
娘はそう言って、彼女もうっすら涙を浮かべていた。


そうか、私はおばあちゃんになるんだ。

流産の経験があったから、安定期に入ってから報告しようと、旦那さんと相談していたらしい。
それがちょうどクリスマスと被ったのだ。

もうすぐ6ヶ月になるという。

腹帯を巻いてあろう彼女のお腹は、心無しかふっくらとしているように見えた。

「おめでとう。本当におめでとう」

私は、心の底からのおめでとうをぶつけた。



私は今、世界一幸せだ


それは、間違いない。





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