羨求に呑まれる
「春田のエロガッパ!!!」
男───春田(はるた)の手が、女のコの太ももにいやらしく手を掛けたとともに、反射的に開いてしまった私のお口。
その声に、二人の動きはぴたりと止まる。
教室の中だからか、思った以上に声が通って自分でもびっくりする。顔がぼぼぼっと一気に熱を持つ。情けない。
「あれ、ゆうじゃん。どした?」
そして、何事も無かったかのように私に微笑みかけるエロガッパ。………訂正、春田。
「こんな公共の場でなに、やってるの」
「ん?なにって、エッ」
「バ、バカ!言わなくていいからっ!!」
恥ずかしくなって、ヘンタイ大魔王春田から急いで目を逸らす。
────と、
「景(けい)くん。私帰るね」
プチプチ、とはだけたピンク色のシャツのボタンを器用に留めて、不機嫌そうにそう呟くのは、さっきまで春田と甘い行為をしていた女のコ。
そしてあろうことか、
「っ……!!!」
ぎろり。大きな瞳で睨まれてしまった。
な。なんなの。なんなの。
睨みたいのはこっちのほうだよ。