キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
失恋 ~side 日南~
「それじゃあ……私、そろそろ帰りますね」
サリーちゃんが屋上を出て行った後──
憐れむような眼差しが一斉にこちらを向いた。
「日南……お前、ホント……上手くいかねぇな」
「うるせ!余計なお世話だ……!」
あー、泣きたくなってくる。
「まさかサリーに気になる奴がいたとは」
「……いやでもさ、もう気になってないって言ってたし。むしろチャンスじゃん。前向きに!」
……ははは。
乾いた笑いしか出ない。
みっつの気遣いが心に沁みるぜ……。
「えーでも、サリーの返事曖昧じゃなかった?本当にもう気になってないのかねー」
「あおやん!空気読めよ」
「事実だろ」