キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
「だから、見る目ないのかなって思ってた」
「みっつに言われたくねぇ」
「まぁね。俺も大概だけど。……でも、今回ばかりはお前、マジで見る目あると思うわ」
「惚れんなよ」
「日南が好きじゃなかったら惚れてたかも」
「ふざけんな」
テンポの良い2人の会話を聞いて、ふと疑問に思ったことがあった。
「あの……日南先輩、好きな人いるんですか……?」
どう考えたってそうとしか捉えられない。
今まで日南先輩の恋愛話って気にしたことないけど、訊かずにはいられなかった。
あっさり返ってきたのは、肯定の言葉。
「いるよ」
「……そう、なんですね。知らなかった……。頑張ってください」
「ははっ。応援されちゃったー」
頑張れ──なんて社交辞令みたいなこと言っちゃった。