キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

***


わ、日南先輩だ……!


放課後の図書室──
うちの学校は図書室を利用する生徒が少ないせいか、いつも閑散としている。

息抜きには結構穴場だったりする。


部活で使用した資料を返却し、また何か借りようかと来てみれば……。

入口から死角になる場所──本棚にもたれかかって眠る日南先輩を見つけた。


地べたに座って足を伸ばし、スヤスヤ。

無防備な姿にきゅんとする。


寝顔を見るのって、ちょっとダメなことをしている気分。

だけど、こういう時じゃないと近くで日南先輩のことを見れない。


しゃがみ込んで、日南先輩の顔を覗く。


桜のような柔らかいピンク色の髪。
1本1本が本当にピンクに染まっている。

透き通るような色白の肌。影を落とすほど長いまつ毛。血色の良い唇。


息を呑むほど綺麗。

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