キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

……び、びっくりした。
いきなり目を開けるから。


心臓がバクバクと暴れている。


「ビックリした……!サリーちゃんか。……起こそうとしてくれたの?」

「は、はい……!」

「そっか。ありがとう」


ごめんなさいごめんなさい。
……嘘を吐いてしまいました。

本当は、触ろうとしていただけなんです。

そんな笑顔でお礼を言われるようなことはしていません。


……ていうか私、なんで触ろうとしたの。
寝込みを襲う(?)なんて変態……!


────心頭滅却。



「出席日数が足りないからって課題を出されたんだけど、気づいたら寝ちゃってた。……サリーちゃんは?」

「わ、わたしは、部活の資料を探しに来て」

「そういえば、最近は服作りをしているんだっけ?」


「良かったね」と言ってくれる日南先輩には感謝しかない。


撫高祭が終わって、1年生全員、雑用を卒業。

先輩と確執があった私も、日南先輩たちが助けてくれたから平穏な部活動を送れている。

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