キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
「部活中ならあまり時間を取らせられないな」
「少しなら大丈夫ですよ……?」
「そう?……じゃあ座って」
日南先輩はそう言って、自分の隣をポンポンと叩いた。
ここに座れ、と言われているみたい……。
促されるがままに座った私は──考えなしだった。
隣に座って、肩と肩が触れ合う。
その距離の近さにドキッとする。
……あれ?なんか近くない?
隣に座るのって、こんなに近かったっけ?
いつも屋上では隣同士で座っているけど、ここまで近くなかった気がする。
うん、ちょっと離れよう……。
日南先輩と距離を置こうとした──けど。
「っ!?」
それより先に、重い熱が肩に乗っかって身動きを取れなくさせた。
「ちょっと充電させて」
私の肩に寄りかかる日南先輩。
……なに、その声。初めて聞いた。
甘えるような声が直に響く。