キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
♤ 心のノート:桐生先輩 ♤
「ダメダメ。そういう依頼は受けつけてないの。自分でやって」
「そ、そうですか……」
被服室の前で、2人の女子生徒が何か話していた。
1人はファッション部の先輩。
もう1人は、ボブくらいの長さの髪を編み込んで2つ結びにする──上履きの色が2年生のカラーだから、こちらもたぶん先輩。
ファッション部の先輩が立ち去った後、私は声をかけた。
「どうしたんですか?」
「あ!あなたもファッション部ですか……?」
少しオドオドした感じの女の子。
でも、なんか小動物みたいで可愛らしい雰囲気。
「あの……こういうアクセサリーを作ってほしくて……」
見せられたのは、スマホの画面。
アニメキャラの画像で、ゴシックっぽい服装の女の子が頭に帽子のアクセサリーをつけている。