キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

***


「それで、髪飾りを作ることになりまして……」

「そうなんだ!良かったね」

「はい!」


しばらくの間、屋上に来れないことを日南先輩に報告しに来た。


柴戸先輩とは、昼休みの短い時間を使って一緒に作る約束をした。

日南先輩に会える機会が減るのは寂しいけれど、柴戸先輩に必要とされて嬉しい気持ちが勝っている。


「ところで、桐生先輩は何を……」


屋上にいるのは、日南先輩と桐生先輩だけ。

桐生先輩は、イヤホンを繋げて横向きにしたスマホで何かを視聴している。


「あいつ今、機嫌悪いの」

「どうしてですか?」


いつも通り、退屈そうとしか思えないけど。


「彼女が相手してくれないって……どこぞの誰かに取られて、すげぇ不機嫌」


へぇ。桐生先輩って彼女いるんだ。

そういや、桐生先輩だけ心のノートをまだ作っていない。


桐生先輩は、金髪で高身長。
端正な顔立ちで、近くで見ると肌がすごく綺麗。

常にアンニュイな雰囲気を醸し出している。


後は、日南先輩と同じクラスってことしか知らない。


……でも、彼女がいるという情報が追加された。


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