キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
「……オっ……」
「……」
「──サオっ!」
「はいっ……!」
急に名前を呼ばれてハッとする。
「お昼ご飯食べよ」
「う、うん……」
ぼーっとしていたらしい。
果穂と、ファッション部の友達の愛良がお弁当を持って来ていたのに気がつかなかった。
2人とも隣のクラス。お昼になると愛良がうちのクラスに来て、一緒に食べる。
ただ、果穂が来るのは珍しい。
「今日は果穂も一緒なの?」
「友達が放送委員の当番でいないから、今週は一緒に食べていい?」
「うん、いいよ」
……とは言ったものの。どうしよう。
柴戸先輩との髪飾り作りも終わって、ようやく日南先輩に会えると思ったけど……まだ屋上へは行けないかな。