キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

昼ご飯を食べた後、私がよく屋上へ行くのは、愛良は知っているけど果穂は知らないこと。

屋上=問題児集団の溜まり場だから、「屋上へ行く」なんて言ったら「なんで?」ってなるに決まってる。


日南先輩は有名人。あまり関係をペラペラ話せない……と思っていたのだけれど。


「今日は屋上に行くの?」


愛良に訊かれて、黙っていられなくなった。


「屋上って?」

「サオ、お昼ご飯を食べた後、たまに屋上に行くんだよ」

「え……屋上って問題児集団の溜まり場だよね?」

「うん。サオは日南先輩と仲が良いから」


「ファッション部じゃ有名な話」と付け足す愛良。

果穂は、そうなの?という顔を私に向けてきた。


私と先輩の仲は、撫高祭での出来事からファッション部では有名。

「問題児集団がバックについている」とか「日南先輩のお気に入り」とか、適当な噂が出回っている。


柴戸先輩から聞いた話では、2年生の間でも「問題児たちが気にかけている後輩がいる」と言われているらしい。


一方で、1年生には全然知られていない。

学年の隔たりってこういうところに出るんだな……って思うほど。

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