キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
「仲が良いというか……気にかけてもらってるというか……」
「撫高祭の時とかすごかったもんね。『今度サオに何かしたらぶっ殺すぞー』って」
「なんか違う……」
「そうだっけ?」
曖昧な愛良の記憶に、2人で笑い合う。
しかし、果穂だけは浮かない顔をしていた。
「でも……日南先輩って怖くない?」
入学してから果穂はずっと言っている。
日南先輩だけじゃなくて問題児集団に対しても、そこまで良い印象を抱いてないみたい。
「それは見た目が派手なだけで……話してみたら良い人だよ。優しいし」
「そうかな……。サオ、騙されてない?」
え……。
「なんで?」
「別世界の人だってサオも言ってたじゃん。サオを気にかけるなんて裏があるのかも……」
「そんなことないよ!」
ついムッとして、言い返してしまった。
確かに別世界の人だと思っていたけれど……。