キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
すると、どんなメッセージにしようか……と文を考える俺に、しのが話しかけてきた。
「坂下のことが好きなの?」
「好きだよ」
机に視線を落としたまま平然と答える。
別に隠してないし、誤魔化しようのない気持ちだから。
だけど、続くしのの言葉にバッと顔を上げた。
「この前聞いたんだけど……万桜くんが坂下を気にかけるのは、裏があるからじゃないかって」
「んなわけねぇじゃん!誰だよ、そんなこと言ったの」
しのが顎でクイッと指したのは、教室の入口で辻堂と話しているボブカットの女子。サリーちゃんの友達で、辻堂の彼女──確か、名前は果穂。
……余計なことしてくれんなよ。
「坂下もちゃんと否定してたよ。けど……」と言葉を切ったしの。
言い辛そうに俯きながら口を開く。
「万桜くんには万桜くんに合った人がいて、坂下には坂下に合った真面目な人がいい──って言われてた」
「……は?」
思わず不快感が漏れた。
なんだよそれ。俺に合った人ってなんだよ。
俺にはサリーちゃんしかいない。
そんなことを言われる筋合いはねぇ。