キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

その言葉に身体を起こした。


「え？」

「今まで、彼女ができたって報告は聞いたけど、好きな人ができたとは言われたことない」


そう、だっけ……？
あれ……俺……。


人を好きになったことはあるけど、それは全部、告白されて付き合ってからで……。

それも、相手の好意に応えようとしただけ……。


──うわっ、マジだ！

俺、自分から誰かを好きになったことってない。


ていうか、本気で人を好きになるのも初めてかもしれない。


そっかそっか。なるほどね。
そりゃ、サリーちゃんにはかき乱されるわけだ。

だって、こんなに人を好きになったことねぇもん。


日南とは友達でいる方が楽しい──そう言われても普通に友達に戻れるはずだ。

俺、サリーちゃんにそれ言われたら、絶対立ち直れない。


すげぇな。好きになるだけで、こんなに感情が振り回されるのか。


「俺、どうすればいい？」なんてしのに相談してしまうほど、俺は恋愛初心者なんだな。