キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
「俺に訊かれても……。本気なんでしょ?」
「うん」
「ならそういうの伝えていけばいいんじゃない?」
ざっくりとしたアドバイス。
わりと好意は出してきた方なんだけど……サリーちゃん、結構天然というか鈍感というか。
たぶん好きだってことは伝わっていると思うけど、それが恋愛感情だとは思ってなさそう。
──ってなると、言葉ではっきり伝えるしかねぇよな。
自分から好きになったことがないということは、もちろん告白したこともないわけで。
そんな考え、頭に過りもしなかった。
「シャーペン返す。……ありがとう。じゃあな」
やることが決まると、自然と前を向けるな。
現状を維持させる壁なんてぶっ壊して──
俺が本気だって伝える。