キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

日南先輩に告白されてから早1日。

公開告白は、あっという間に広まった。


「あの子だよ、日南が告白した子」

「坂下彩織でしょ」


体育館へ移動中。
たくさんの目がチラチラと私を向く。


ちらほら聞こえるのは、日南先輩の名前と「告白」「坂下」のワード。


こんな形で「坂下」の名前が広まるとは思わなかった。

昨日までは「香月」と呼ぶ人がいたのに、今は誰もが「坂下」と呼ぶ。


改めて、日南先輩の影響力を思い知る。


あれからまだ日南先輩には会っていない。

そして、こういう日に限って全校集会があったりするわけで……。


「サオ、おはよう。すごい注目されてるね」


遠巻きに視線を感じる中、唯一私に話しかけてきたのは隣のクラスの愛良。


「広まるの早いよ」

「そりゃ日南先輩だもん。加えて公開告白──今日1日ずっとその話題だよ」


ずっとかぁ~。

落ち着かないけど、日南先輩はいつもこんな世界の中にいるんだよね。


先輩がいつも見ている景色。
それを私も体験できると思えば──とそんな時。

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