キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
ゆっくり振り返った私の視界に映ったのは、こちらに歩いて来る日南先輩たち。
私と先輩を繋ぐ距離には生徒がいるのに、モーセが海を割るが如く道が開けていく。
「おはよう。サリーちゃん」
私の前で立ち止まり、満開の笑顔を咲かせた。
「お、おおおはようございますっ!」
うえーん。たどたどしくなっちゃったよ。
日南先輩はいつも通りなのに……恥ずかしい。
「サリー、日南に告られたんだって?」
「っ!」
「ようやくと言うべきか、いつの間にって言うべきか」
「お前、やることがいつもジェットコースターなんだよ」
深見先輩が日南先輩に向かって言う。
確かにジェットコースター。
緩急の切り替えが早くて、ついて行くのに必死。
突然現れて、「好き」って言われて、抱き締められて……うっ。思い出しただけで顔が火照る。
……それを見逃さないのが青柳先輩。
「あれー?サリー、顔赤いよー?」
意地悪な顔を浮かべる。