キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
外どころか廊下に出るのも億劫な気候。
自然とみんな教室に溜まるようになった。
「はい、サオの負けー。あたしはミルクティーね」
「俺はココア」
「俺、コーヒー」
昼休みにジャンケンで負けた私は、代表して飲み物を買うことになった。
寒いからなるべく外に出たくないのに……。
えーっと……愛良がミルクティーで、辻堂くんがココア、星野くんがコーヒーだよね。
最初は愛良と2人で買いに行こうとしていたんだけど、「ついでに」と星野くんが頼んできたので、急遽ジャンケン大会を開催。
それで私が負けた。
昼の購買部は生徒たちでごった返している。
学校で唯一昼ご飯が買える場所だから。
そこを通り過ぎて、外へ出たところに自動販売機が置いてある。
ガラス張りの戸を開けると、凍てつく風が身体を刺した。寒い。