キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
答え合わせ ~side 日南~
知らなかった。
俺への印象の良し悪しが、大切な人にも影響を及ぼすなんて。
「お、日南!ちょうどいいところに」
うげ。
「なんすか……?」
「そうあからさまに嫌な顔をするなよ」
……嫌な顔にもなりますって。
何かと出席日数を引き合いに出して、俺をいいように使うんだから。
職員室を出て行こうとして、俺を呼び止めたのは社会科の石橋先生──2年の学年主任で、俺のクラスの担任。
「この世界地図を1年6組に持って行ってくれ」
「えー」
「頼みを聞いてくれたら、この前の遅刻を大目に見てやってもいい」
ほらね。すぐ俺の弱みをついてくる。
さらに面倒くさいことに──
「坂下がいるクラスだぞ」
色恋沙汰に目ざとい。
……まぁ教室で公開告白したんだから、知れ渡るのも無理ないけど。