キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
今日はファッションショーのリハーサル。
雑用の1年生は舞台の設営で、てんてこ舞い。
名前を呼ばれたら、あっちに。問題が発生すれば、こっちに。裏方さんの大変さを身に染みて実感する。
──とそんな時だった。
ただでさえ声が飛び交う場が、急にざわついた。
「うそ!あれ、日南先輩じゃない?」
「青柳先輩や桐生先輩……例の問題児集団、みんないるじゃん!」
「えー、どうして?」
同級生たちの会話を聞きながら振り返ると、目に飛び込んできたのはカラフルな頭の人たち。
──そこにいたのは、派手な問題児集団だった。
日南先輩を筆頭に、美男美女の集まり。発光しているわけでもないのにキラキラしてる。
「日南!モデルやってくれるの!?」
「おう!」
ニコッとはにかむ日南先輩の笑顔は、少し離れたところから見ても眩しい。
……だけど、やっぱり怖い。