キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
最後に出てきたのは、日南先輩。
手を振りながら笑顔で花道モドキを歩く姿は日南先輩らしくて、周りからクスクスと笑い声が聞こえてくる。
(まだテープが貼ってあるだけの)真ん中のステージに到達した日南先輩は、
「なぁ、ここって決めポーズだけ?喋っちゃいけないんだっけ?」
と声を上げた。
「ダメに決まってるだろ」
「いや、日南なら許されるんじゃね」
「日南でもダメ!」
「じゃあ、今だけ。なんか言って、日南」
問題児集団たちの盛り上げる声を受けて、日南先輩は「何を言おうかなー」と考え込んだ。