キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
最終章「キミ色に溺れる」
#日南先輩まで届け
日南先輩と付き合って、月日が経った──2月。
「あー……マジで行きたくねぇ」
隣を歩く日南先輩が深いため息を吐いた。
「そんなに嫌ですか?」
「やだよ。……つーか、サリーちゃんはなんでそんな平気そうなの?俺ちょっと寂しい」
「平気っていうか……どうしようもないですから」
明日から、2年生が修学旅行でいなくなる。
3泊4日の沖縄旅行。
ここ最近、他の先輩は楽しそうに胸躍らせているのに対し、日南先輩だけは憂鬱そうに顔を曇らせている。
修学旅行とか、日南先輩が大好きそうな行事なのに……。
「4日間もサリーちゃんに会えないとか地獄。出席日数が足りてたら、修学旅行なんて休むのに。学校ってちゃんと行かないといけないんだな」
修学旅行が嫌なのではなく、私に会えないのが嫌らしい。
学校に行く趣旨がずれているのは置いといて。
そう言ってくれるのは嬉しいけど……。
「修学旅行いいじゃないですか!絶対楽しいですよ!きっと美味しい食べ物がいっぱいあります。アクティビティもするんですよね?私、沖縄に行ったことがないので、お土産話をたくさん聞かせてほしいです!」
せっかくの修学旅行だから、私のことは気にせず楽しんでほしい。
「うん。お土産も買ってくる」