キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

「2年生がいないと静かだね」


日南先輩たちが沖縄に発った日の放課後。

2年生がいないファッション部は、いつも以上に弾む会話と笑い声で溢れている。


先輩がいないからここぞとばかりに。


愛良が言う、『2年生がいないと静か』は、ファッション部の先輩を指しているのではなく、日南先輩含めた問題児集団のこと。


ファッション部は賑やかだけど、学校全体は本当に静か。


「日南先輩と連絡取ってるの?」

「ううん。でも、夜電話する」

「そっか。明日いろいろ聞かせてね」


日南先輩から最後に入ったメッセージは【飛行機乗った】という報告。

それ以降は何も来ていない。


楽しんでいるのかな?とも思うし、単に連絡する癖がないだけかな?とも思う。


日南先輩に送ってもらった行動スケジュール。

今日は資料館や洞窟へ行くことになっているから、もしかしたら空き時間がないのかもしれない。


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