キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
家に帰って、夜になるまでご飯を食べたりお風呂に入ったりして過ごす。
寝る準備も整えて、ベッドに横たわって……スマホと睨めっこ。
もう電話しても大丈夫かな?
電話するのは初めてじゃないけど、緊張する。
数回の呼び出し音────
『はーい、日南でーす』
陽気な声が聞こえた。
思ったより元気そう。
「今、大丈夫ですか?」
『大丈夫!』
「楽しそうですね。後ろも賑やかで」
電話の向こうから聞こえるのは、日南先輩の声だけじゃなくて、わいわい騒ぐ男子の声も。
今は自由時間だから、ホテルの部屋にいるのかもしれない。
『あ、うるさい?……ちょっと待ってて』
「……?」
『お前ら、もう少し静かにしろ』
そんな叫び声を拾った。
どうやら電話を離して注意しているらしく、日南先輩の声が少し遠ざかった。