キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
修学旅行 ~side 日南~
部屋のチャイムが鳴った。
途端に、ルームメイトたちがざわめき出す。
「なんかまたうるさくなった」
そう呟いた直後──俺の耳に飛び込んできたのは、耳障りな声だった。
「いえーい!お待たせー!」
「遊びに来たよー!」
3人の女子。
「は?なんで女子がいるの?」
「俺らが呼んだ」
あっけらかんとしたルームメイトの言葉が返ってくる。
……ふざけんなよ。
「……サリーちゃん、ごめん。ちょっと待ってて」
耳からスマホを離し、部屋を出た。
まだ消灯時間ではないので、部屋着姿の生徒がちらほら出歩いている。
なるべく静かな場所を探しながらスマホを耳に当てようとした時。電話が切れているのに気づいた。
慌てて折り返し電話をする──だけど、切れてしまった。
え!なんで?
もう一度電話をするけど、繋がらない。
まさか……女子が部屋に入って来たのを聞かれて?