キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
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次の日になってもサリーちゃんに繋がらず、気づけば2日目の夕飯を迎えようとしていた。
「あれ、日南。まだ落ち込んでるの?」
席に着いて項垂れる俺に声をかけてきたのは、あおやん。
目の前に美味しそうな料理が出ているのに、それどころじゃない。今日1日、どう過ごしたかも覚えてねぇ……。
俺の代わりに、隣に座る桐生が答える。
「サリーから連絡が来ないんだって」
「ふーん……。じゃあ、そんな日南にいいもん見せてやるよ」
いいもの……?
サリーちゃんから連絡が来ること以外、今の俺が喜ぶことなんてねぇよ。
しのから元気そうだって返信が来たけど、それじゃあ足りない。……いやまぁ、元気だと知れただけでも良しとしないと。
「日南ってインスタ見てねぇよな?」
「見てない……」
「面白いタグ見つけたんだけどさ。これ、1年の間でプチブームらしい」
見せてきたのは、女子グループの写真。教室で同じポーズを取るなんの変哲もないもの。
添えられたハッシュタグは #日南先輩まで届け だった。