キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

4日目──ようやく日南先輩が帰ってくる。


本当は明日会う予定だった。

でも、どうしても早く会いたくて……。


学校が終わった後、日南先輩を迎えに空港まで来てしまった。


ちゃんと日南先輩には伝えた。

「迎えに行っていいですか?」って。



たった4日会えないだけで、こんなに日南先輩不足になるなんて思わなかった。


修学旅行中の写真をいっぱい見せてもらって、電話もして……それなのに足りない。



機械を通さない生の声が聞きたい。

明るくて甘くて、でもドキッとする男らしさを含んだ声。


──その声で「サリーちゃん」って呼んで。



体温を感じたい。

照れたり嬉しいことがあったりすると熱くなる体温。


──その体温で抱き締めて。



匂いに癒されたい。

抱き締めるとわかる、せっけんのようなふんわりした匂い。


──その匂いで包み込んで。


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