キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
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「つーか、まだ聞いてなかったけど……なんでファッションショーに参加する気になったわけ?」
体育館に向かう途中、友達に訊かれた。
もうすぐ撫高祭。
撫藤高校の学園祭の名物はファッション部のファッションショー。
立っているだけで目立つせいか、1年の頃からモデル依頼を受けていた俺。
面白そうだと思って去年は参加したけど、今年はクラスの出し物を手伝おうかと思って断っていた。
……けど。急遽、参加を決めた。
「あれだろ……モテたいだけだろ」
俺が答える前に、横から別の声が割り込んできた。
「それはないだろー。日南って普通にモテるじゃん」
「モテても彼女はできないけどな」
「違げぇよ。できないんじゃなくて……フラれるの」
「あ、そうだった」
俺をバカにしてケラケラ笑う友達。
……事実なのが余計にムカつく。