キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
繋いでいた手がぐっと引っ張られて、立ち止まった俺が目にしたのは涙を流すサリーちゃんの姿。
「どうした!サリーちゃん!」
「おい、日南。泣かせるなよ」
「え、俺!?」
……やっぱり俺?
怖がらせちゃった?
前言撤回。
怖がらせないって言ったの誰だよ。……俺だよ!
……ごめん。
お願いだから、怖がらないでほしい。
どうしよう……と俺だけでなくみんなもあたふたする中。
聞こえてきたのは────
「あははは!!」
笑い声。
さっきまで泣いていたサリーちゃんが、今度は腹を抱えるように笑っていた。
下げた目尻に浮かぶ涙が、悲しさが残ったものなのか笑ってできたものなのか……もうわからない。
だけど、無邪気なその笑顔はあまりに可愛かった。
「日南、顔赤い」
「うるせ!」
赤くもなるだろ。
サリーちゃんの笑顔を間近で見たの初めてだし。
こんな可愛い笑顔を見て、隠せるわけがねぇ。