キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
「それで……本題はここからなんだけど」
スマホをポケットにしまいながら、日南先輩が口を開いた。
「本題……?」
「ついて来て」
ニッと笑った日南先輩。
サプライズの仕掛け人みたくちょっと楽しそう。
……なんだろう?
と思いつつ、先輩が校舎に入ったので私もついて行く。
休み時間の廊下は生徒が出歩いていて賑やか。
だけど、日南先輩が歩くだけで、それらの視線はすべて先輩のもの。
「わ、日南先輩だ……!」
「派手〜」
怖いもの見たさを含んだ視線。
中には良い感情を持っていないものもあるだろう。けど、日南先輩は一切気にしていない様子。
堂々としたその背中を眺めながら、私は2歩後ろを歩く。
階段を、日南先輩は上がった。
4階建ての校舎。
ここは4階で、上に行くとなるともう屋上しかない。