キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

天高く広がる秋空に風が舞い上がる。


「お、来た」

「遅ぇよ、日南」

「ごめんごめん」


くすんだ緑色の地面。
周りは高いフェンスで囲まれている。


問題児集団の溜まり場──どんなところか全然想像がつかなかったけど……。

一言で言えば「小学校の昼休みの校庭」みたいな?

開放的で賑やか。
日南先輩たちだけじゃない。学年で有名な1年生グループや3年生たちもいて──思い思いに時間を過ごしている。


屋上を少し進んだところに、日南先輩グループの人たちが溜まっていた。


どこから運んできたのかわからない水色のベンチで眠る桐生先輩。……たぶんプールサイドかな?

青柳先輩はスマホをいじっていて。
光石先輩と深見先輩は2人で喋っている。

そして、顔を合わせるのは初めましてな紅一点・花森先輩。ネイルの最中。

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