キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
スマホをいじっていた青柳先輩もネイルをしていた花森先輩も顔を上げて、拍手を送ってくれる。
桐生先輩は寝たままだけど……。
……歓迎してくれるのは嬉しい。
嬉しいんだけどさ。
「どういうことですか?」
突然、仲間になる──なんて紹介されて。
海賊クルーもビックリな急展開。
驚きを通り越して、意味がわからない。
「みんなもサリーちゃんと仲良くなりたいって言ってたし。1人より2人、2人よりみんな──ここなら楽しくて、嫌なことも忘れられる」
……そっか。
日南先輩、私が言った「嫌なこと」──覚えていてくれたんだ。
「とかなんとか言って、ただお前がサリーといたいだけだろ」
「自分の欲に俺らを巻き込むなよなー」
「ちょっと待て!サリーちゃん連れて来いって言ったのお前らだろ!……俺は、一緒にいられるなら非常階段で良かったんだ」
「日南のくせにカッコつけてんじゃねぇぞ」
……賑やか。