キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜
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翌日────
「サリー!」
「……?」
体育の授業が終わって、教室へ戻る途中。
大きな声で名前を呼ばれた。
振り向いた先にいたのは、青髪の青柳先輩。
クラスメイトが何人かいる中で──先輩は、私に何かを投げた。
少し距離があったけど、その“何か”はちゃんと届いた。
……ナイスコントロール。
そして、ナイスキャッチ。
受け取ったのは、小さな白い紙袋。
開けてみると──
「昨日、日南の選んで自分のは買ってなかったろ。それ、俺からプレゼント」
入っていたのは、ピアスだった。
「日南とお揃いな」
「え、でも……」
……私、ピアスの穴開けてないけど。
「別に耳にしなくてもいい。バッグやポーチにつけられるから」
「大事にしろよ」そう言って口角を上げた青柳先輩は、去って行った。